top of page
写真 23.07_edited.jpg

Music is care
音楽はケア

New

研と真希子の『音楽はケア』channel 始めました!

→Youtube 

​​​

今までの人生、思えばいつも音楽にケアされてきている腫瘍精神科医と癌サバイバーピアニストがお送りするメンタル音楽チャンネル。

音楽を通じて心や体のケアにつながる動画をお届けしています。

​1回目:【音楽だから伝えられる事】〜即興への挑戦〜“ジ・アース”

自分のことは知っているようでよく知らないものです。実は、「自分が知らない自分」がこころの中にはたくさん眠っています。

私の人生前半の旅は、社会の中で頑張って認められることが目的でしたが、それにはほとほと疲れました。後半の旅は、自分の知らない自分とたくさん出会って、内面を豊かにしたいなと思っています。

そのために、合奏を始めました。特に即興演奏では、米田さんの魂を込めた演奏に触発され、思いがけない感情が溢れるようにこみ上げてきます。まさに、「自分が知らない自分」との出会いです。

これから、こころが豊かになるための演奏と、私なりの解説を加えた動画を作っていきたいと思います。共鳴する人がひとりでもいらっしゃったら、それは私たちにとって大きな喜びです! 
清水研

⭐️ 音楽はケアへの思い

清水研【バイオリンと私】~全体的な自分になるために~

 

 私の場合、カウンセリングや執筆では言語を通して自分を表現します。言語を通すと、冷静で、理性的になることが多いので、バイオリンを弾いている情緒的な自分に驚きます。演奏の中では、不安、悲しみ、喜び、ときに怒りなど、普段眠っている感情が沸き上がります。また、合奏の場合は、言語よりダイレクトに、ともに演奏した米田さんと、感じていることを伝えあっていると感じます。

理性的と感情的な面、両方とも自分ですが、普段理性ばかりが表に出ているのは私にとってアンバランスなのかもしれません。バイオリンを弾くと、やっと全体的な自分になれるのです。

全体的な自分であることは、ケアを行うためにも大切です。クライアントのことを理知的に理解するだけでなく、言葉ではあらわせない感情にもセンサーが働くのです。

しかし、ケアといった限局的な場面だけでなく、全体的な自分になることは、豊かに生きるために誰にとっても必要なのだと、自分の体験から確信しています。

米田真希子【音に導かれ心に出会う

 

 去年からの乳がん治療及びリンパ浮腫の治療での活動休止後初めての人前での演奏で、大げさかもしれませんが、リンパ浮腫で絶望の底にいた私は音楽に救われあの日まで前を向いて生きてこれました。

私にとってピアノを弾くことは、自分を知ること、自分の内なる声を聴くことです。当日は音に導かれて心が叫ぶままに弾きました。弾き終えた時心の底から涙が湧いてきました。振り返ると多くの方たちが泣いていました。悲しい涙と言うよりも清々しいような、そんな感じでした。

言葉で表せないものを絵が表し、それでも表せない世界を音が表すとどこかで聞いたことがあります。音は頭で考えることを取っ払って人の心や細胞に直接語りかけます。先生の話を聞くことで考え、そして音楽を浴びることで心の感情の風船に穴が開いて、その風船から感情がわっと放たれる。そしてそのままの自分を感じなら、その感情を言葉にしていく。そんな過程を経ることで新しい自分と出会っていく。

多くの患者の支えになってきた「精神腫瘍医の清水研」としてではなく「人間、清水研」と「ピアニストの米田真希子」ではなく「病気と共に生きる当事者」の私が奏でるからこそ、人間の弱さ、強さ、不安、葛藤も全てさらけ出されるのだと思います。

これからも私たちの音の波が演奏を聴いてくださった方に伝わり「なんだ、そのままでいいんだ」と自然と気持ちが緩み、体の中で何かが弾ける体験をしてほしい、様々な形での「対話」に加わっていただくようなことも試してみたい、と、思い描いています。

米田真希子

bottom of page